日野くんの心が知りたいです。


情けないな。



でも、こればかりは仕方ない。



だって、誰が好きな人から。



他の人が俺に宛てた手紙を渡されるなんて考える?




「ちゃんと行ってくださいね。用はそれだけ、ですから……」



そう言って足早に立ち去ろうとする七草さんの腕を掴んで、問いかける。




「俺のこと、嫌いなの」



「……っ」




何を聞いてるんだ、俺は。



いきなりそんなことを聞かれて、答えづらいに決まってるのに。



それでも、聞かずにはいられなかった。



どうしても七草さんの本心を確かめたかった。

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