日野くんの心が知りたいです。


「え、えっと。いいんですけど……そのっ」



「サンキュ」



私の言葉は日野くんによっていとも簡単に遮られ、持ってた本もいつの間にか手から抜き取られてる。




あぁ、日野くんの手に渡っちゃったよ……。



私は別にいいんですけどね?




日野くん、どうしちゃったんだろう?



いきなり私の本を読みたいって言い出すなんて。



しかも、恋愛小説なのに。




私には相変わらず日野くんの考えはわからないけど。



なんとなくご機嫌な日野くんが隣にいるから、これで良しとしよう。

< 30 / 155 >

この作品をシェア

pagetop