日野くんの心が知りたいです。
「日野に助けられて嬉しかったんでしょ?素直になりなさいよ!」
声を荒らげながらそう言う愛莉ちゃんの顔は、少し赤かった。
いつもはまっすぐに口に出したりしない愛莉ちゃんが、私のために言ってくれてるんだ。
でも。
「素直って……私はもう素直ですよ?」
嘘をついてるわけでも、何かを隠してるわけでもない。
ただ、昨日のことでまだ頭の中が整理できてないだけ。
「はぁ……もう、弥生ってば……」
呆れたように笑う愛莉ちゃんは、なぜだかいつもより表情が柔らかくて。
やっぱりクール美人だなぁ、と思い直した。