日野くんの心が知りたいです。


そう言ってからの日野くんの動きは、早かった。



そう、まるで別人のようにボールを操って、あっという間に敵をかわして進む。




あっ、目の前に相手チームが……!



日野くんがゴール近くまで近づいたとき、目の前に男子が飛び出してきた。




その瞬間。



────パシュッ。




「きゃーーっ!」



少し遠くから放った日野くんのボールが、吸い込まれるようにしてゴールへ入っていった。



体育館は、あっという間に三沢くんコールから日野くんへの歓声に変わる。

< 87 / 155 >

この作品をシェア

pagetop