エリート医師のイジワルな溺甘療法
先生と一緒に食事の準備をして、他愛無い話をしながら食べる。
一緒に買い物に行ってくれた麻友のこととか、マンションの敷地で出会った犬のこととか。
けれど、胸の端っこではこの後に待っていることが熱の塊となっていて、じわじわと私を攻めてくる。
先生は穏やかな笑顔で私の話を聞いていて、さっきまでの甘い雰囲気は感じられない。
スイッチの切り替えがしっかりできるオトナのオトコなのだ。
私なんてお喋りをしつつ食べているけれど、落ち着かない気持ちを隠しているせいか、味がちっとも分からないのに。
お片づけを済ませて、先生がお茶を入れてくれる。
キッチンの明かりが消えて、蜂蜜色の明かりに包まれると、先生の雰囲気が次第に熱を持っていった。
腕の中に入れられて、キスだけで甘く蕩けさせられる。
唇が合わせられるのはこれで三回目だけれど、腰のあたりがぞくぞくするのはこれが初めてで……。
「君のことをこんなに好きになるとは思わなかった。最初は、反応が面白くて少し気になる患者、それだけだったのに」