エリート医師のイジワルな溺甘療法
「俺の、穂乃花のプロポーズへの答え。君が俺をしあわせにしたいと思う以上に、俺は君をしあわせにしたいと思ってる」
私の顎に彼の指先が触れて、顔をゆっくり近づけてくる。
「そんなの、私だって負けません。だから……」
彼の唇が触れそうで触れない位置で止まり、吐息が私の唇にかかる。
「だから、なに?」
「一緒に、しあわせに……」
言い終わらないうちに彼の唇が触れて、甘い吐息とともに熱い気持ちが伝わってくる。
「俺は職業柄、よく患者に勘違いされることがある。女性に誘われることも多いけど、穂乃花一筋だからな」
「分かってます。鉄壁要塞ですもんね」
「そうだな……その通りだ。さて、今から君を食べたいところだけど。今は退っ引きならない事情中だったな」
彼が残念そうにそう言った途端、私のお腹が空腹を訴えてきた。
気持ちも体も落ち着いて、お腹に気が向いたようだ。
彼もそうみたいで、腹が減ったなとつぶやいている。
「あそうだ、今日はカレーなんです。野菜たっぷりの」
「へえ、うまそうだな。じゃ、一緒に用意しようか」
「はい」
彼に引かれる私の手には、ダイヤモンドの指輪が光っている。
それをうれしく思いながら、彼にそっと訊いてみる。
「どうして、サイズが分かったの?」
「簡単だ。君が寝ている間に計って、宝石屋に伝えただけ」