エリート医師のイジワルな溺甘療法
忙しい合間を縫って準備してくれたんだ。
そう思えば感激もひとしおになる。大好き!の意味を込めて、背中にぎゅっと抱きついた。
驚いた彼がお皿を落としそうになってしまい、ふたりで慌てふためく。どうにか落とさずに済み、ふたりで顔を見合わせて笑いあってカレーの準備を進めた。
新しいダイニングテーブルで一緒に夕食を食べながら、これから始まるふたりの生活を思い描く。
最初はなにもなかったこの部屋だけれど、座って話す場所と、食事をする場所ができた。
これからは新しい出来事が起きるたびに、自然に家具も物も増えていくんだろう。
私がコーディネートするインテリアだけでなく、しあわせな空気でも、部屋を満たしていくんだ。
この先ずっと、彼とふたりで。
【完】