エリート医師のイジワルな溺甘療法
こ、怖いっ!
事前にネットで得た知識が脳内を駆け巡ってしまう。
『皮膚まで切れてしまった』だの『痛かった』だの。
尖った刃は、たしかになんでも切ってしまいそうで……。
柔らかいものは切れないようにできていると、しっかり説明されてはいる。
けれど、本当に大丈夫なんだろうか?
いや、彼はとっても腕のいい整形外科医だと評判だけれど、それでもやっぱり怖いものは怖い!
スイッチを入れると細かい振動音がし始めて、恐怖心がいや増す。
私は、歯医者に行ったときに聞こえてくる、あの歯を削る音だけでも気を失いそうになるのに。
眩暈を起こしそうになるが、ぐっと堪える。
「じゃあ、いくよ」
「え、あ、あのっ」
思わず拒絶の手が伸びそうになったが、問答無用とばかりに、脚のギプスに刃があてられた。