エリート医師のイジワルな溺甘療法
主治医の気持ちを知る方法
今日は週のど真ん中で、今は午後二時。
私は、いつものように食材を持って部屋に来てくれた麻友と、お喋りに興じている。
テーブルのうえには、いい香りのする紅茶と苺のパウンドケーキがある。これらは麻友が持参したもの。
紅茶はお土産でいただいたもので、苺のパウンドケーキは、昨日の夜急に思い立って作ったらしい。
苺の風味が抜群で、ほっぺをとろけさせながら、日曜日の出来事を話していく。
すると、麻友のただでさえ大きな目が、さらに大きくなっていった。
「きゃ~っ、穂乃花、マジなの!?」
「うん、食事奢ってもらって、送ってもらっちゃった」
「なにそれ、すごい進展じゃない! 私が前に来たときは、完璧に、ただの患者だったのに。マホガニーに来ただけでもびっくりなのに、マッサージしてもらって、さらに食事も!?」
麻友は、まるで珍しい物を見るかのように、私の顔をまじまじと眺めている。
瞬きをするたび、大きな目を縁取るまつ毛がワサワサと動く。
麻友のまつ毛は長くて量が多いのだ。これが全部自前だっていうから、羨ましいことだ。
「そうなんだよね。なんか、一年のイベントが一度に来た感じで、びっくりしてるの。なんでこうなったんだろう?」
お正月とクリスマスが同時に来て、七福神とサンタさんから、抱えきれないほどのプレゼントをもらった気分だ。