ドロップ!~別編~
「りーかっ」
「...何」
璃花を見つけては子犬のように駆け寄って
璃花に話しかける由香。
...不毛な片想いだな。
周囲の奴らはそう思っていた。
勿論、俺もそう思った。
まぁ、それはただの現実逃避というか
誰も寄せつけようとしない璃花が迷惑そうに
しつつもうるさい由香と話している現実を
認めたくないだけだったんだけど。
「由香はさー、」
「なに。」
そんな由香は俺には冷たくて。
後に聞くとそれは璃花が俺の話をする時
少し笑うからという、みどりと同じような事で。
しかも
『あたしと話す時笑ってもくれないのに』
所謂、嫉妬。
なんで女子の事で女子に嫉妬されなきゃなんないんだ
しかも俺だって璃花と最近話すらしてないし
心の内で反発しつつそれが嬉しかったりして。
璃花とみどりと由香。
3人が並ぶとdropの強さを実感させられた。
将来、この3人がdropを支えて引っ張って
行くことは誰にでも容易に想像がついた。
3人が並んで歩いているのを見る度、
そう思う度に
いつか3人がdropを象徴して生きていく。
また一歩、黒い世界に足を踏み入れて行く。
決して遠くはないそんな未来が
嫌だった。