ドロップ!~別編~
「飛鳥、お前支度したら指令室来い」
苦笑をおさめて、藤堂はドロップを
引っ張ってきた顔で言った。
仕事の時の顔。
俺は何も言えなくてパソコンの電源を落とした。
︙
「...なにやってんの?」
「あ?みりゃ分かんだろ。」
わかんねぇから聞いてんだよ。
指令室に入ってまず俺が目にしたのは
1本の高級ワインだった。
それ1本で家が建つくらいの金額のワインに
見覚えがあった。
「...懐かしいな、それ。」
俺が言うと藤堂は珍しく目を見開いてから
笑った。
...やめろよ。
男の俺でさえ気が狂いそうな程の自然で
かなり綺麗な笑みだった。
元々、端正すぎる顔立ちだから笑顔なんて
見たら間違いなく女は1発で落ちる。
多分、その気のない男も釘付けにはなる。
「...何見てんだよ、座れ」
「...あ、はい。」
藤堂、顔にキメェって書いてあんだけど。
俺を見た瞬間の藤堂の怪訝な顔はすごかった。
てか俺そんな引かれる顔してた?