ドロップ!~別編~
そう、思ってた時だった。
突然 俺に踏み潰されてた男が消えた。
「.........は?」
訳わかんなくて辺りを見渡した。
本当に突然、瞬間移動のように消えていて
直後、ドガッという何かが蹴られたような
凄い音が聞こえた。
「夢も希望もねぇ医者だな。」
現れた、月明かりに照らされた
黒いフードの男。
「...日本語?」
日本語なんて他人の口から聞いたのは久々で
「小田飛鳥。
3歳で両親に売り飛ばされて
人間殺すために生きてる医者。
...お前だよな?」
何だ、こいつ。
なんでそんなこと...
「人助けの組織から人殺しの為に
生きる人間が出てくるなんてな。」
「なんだよお前。」
「あ?dropだ。」
drop?なんだそれ。
「つってもまだ途中だけどな。
潰す組も色々あるし」
...頭おかしいやつか?
「なんで俺のこと知ってんだよ」
「調べりゃそんなん分かる。」
調べられるわけねーだろ。
liveは情報面も徹底してる。
どんなハッカーもぶち破れるやつなんていないし、liveには 御波 良っていう怪物がいる。
「今の時代、商売道具さえあれば
大抵分かんだよ」
パソコンのことか?
「お前、ポーカーフェイス?」
「はぁ?」
「16の癖に高校行ってねぇのか」
「俺、スキップだから。
調べたくせに知らねぇのかよ」
男が一歩、前に来た。
その瞬間。
「......っ...」
手足が震える。
くそ、こんな時に、どんなやつかもわかんないやつの前で。
「自分からペラペラ喋るやつは
信用出来ねぇな。」
「...っはめたのかよ」
睨むと俺と同じくらい背の高い男がフードを取った。
「え、」
月明かりに照らされた顔。
そいつはあまりに綺麗すぎた。
遺伝子選んで来たような、人間と思えないような。
「チッ、俺の顔がそんなに珍しいかよ」
忌々しそうに舌打ちしたその仕草さえ
綺麗だった。
手足の震えが何故か止まった。
「何見てんだよ」
「えっ、あ、」
慌てて目を逸らす。
でもまた見る。
そいつと目が合った。
「んだよ、てめぇ女か」
「いや、お前だって俺のこと見てんじゃねぇか!」
「だからなんだ」
何なんだこいつ!
「俺に見んなって強制しといて
なんでお前が見てんだ!」
「ハァ?てめぇ意外とあほか?」
心底馬鹿にしたような表情。
突然 露わにした少年のような顔に
息を呑んだ。
「目ぇ見て話せんのは嫌いじゃねぇな。」
「お前、マジで何なんだよ」
「dropだ。」
「日本人だろ?何でここにいんだよ。」
「察しが悪ぃな」
今度は心底呆れたように溜息をつく。
イラッとした。
「...てめぇに会いに来たからに
決まってんだろ」
「......は?...お、れ?」
「日本語通じねぇのか?」
いや、俺に会いに来たってなんだよ。
俺、お前にあった覚えねぇし
お前のこと知らないし、てか、何でこいつ俺のこと知って...
『今の時代、商売道具さえあれば大抵分かん
だよ』
先程の言葉を思い出した。
「...なんで...」
「お前が欲しいわけじゃない
だけど、dropに医者は必要だ。」
「...俺のこと?」
「お前が欲しいわけじゃない。
なるべく腕の立つ医者が必要なだけだ。」
...意味わかんねぇ。
「だったらなんで俺のこと調べたんだよ」
「......」
「なんで俺んとこ来たんだよ」
「......」
「なんでさっきのやつお前が殺した」
「......」
そいつはずっと俺のことを見てた。
逸らさなかった。
だからすぐ分かった。
こいつには世界があると。
月明かりで両耳の黒いピアスが光る。
まるでそいつのようだった。
光の中でも存在を消さない黒。
真っ直ぐな黒。
「そんなに俺に興味があるの...?」
「さぁな」
「俺が欲しいか?」
「...さぁな」
腕の立つ医者。
その条件は既にクリアしてる。
「dropって何なんだよ」
聞いた俺はきっと伸ばされた手を掴んでいた。
無表情で俺を見てたそいつは俺を見て
ゆっくり苦笑した。
「....知りたいなら」
綺麗な笑みだった。
「dropに来い」
突然 俺に踏み潰されてた男が消えた。
「.........は?」
訳わかんなくて辺りを見渡した。
本当に突然、瞬間移動のように消えていて
直後、ドガッという何かが蹴られたような
凄い音が聞こえた。
「夢も希望もねぇ医者だな。」
現れた、月明かりに照らされた
黒いフードの男。
「...日本語?」
日本語なんて他人の口から聞いたのは久々で
「小田飛鳥。
3歳で両親に売り飛ばされて
人間殺すために生きてる医者。
...お前だよな?」
何だ、こいつ。
なんでそんなこと...
「人助けの組織から人殺しの為に
生きる人間が出てくるなんてな。」
「なんだよお前。」
「あ?dropだ。」
drop?なんだそれ。
「つってもまだ途中だけどな。
潰す組も色々あるし」
...頭おかしいやつか?
「なんで俺のこと知ってんだよ」
「調べりゃそんなん分かる。」
調べられるわけねーだろ。
liveは情報面も徹底してる。
どんなハッカーもぶち破れるやつなんていないし、liveには 御波 良っていう怪物がいる。
「今の時代、商売道具さえあれば
大抵分かんだよ」
パソコンのことか?
「お前、ポーカーフェイス?」
「はぁ?」
「16の癖に高校行ってねぇのか」
「俺、スキップだから。
調べたくせに知らねぇのかよ」
男が一歩、前に来た。
その瞬間。
「......っ...」
手足が震える。
くそ、こんな時に、どんなやつかもわかんないやつの前で。
「自分からペラペラ喋るやつは
信用出来ねぇな。」
「...っはめたのかよ」
睨むと俺と同じくらい背の高い男がフードを取った。
「え、」
月明かりに照らされた顔。
そいつはあまりに綺麗すぎた。
遺伝子選んで来たような、人間と思えないような。
「チッ、俺の顔がそんなに珍しいかよ」
忌々しそうに舌打ちしたその仕草さえ
綺麗だった。
手足の震えが何故か止まった。
「何見てんだよ」
「えっ、あ、」
慌てて目を逸らす。
でもまた見る。
そいつと目が合った。
「んだよ、てめぇ女か」
「いや、お前だって俺のこと見てんじゃねぇか!」
「だからなんだ」
何なんだこいつ!
「俺に見んなって強制しといて
なんでお前が見てんだ!」
「ハァ?てめぇ意外とあほか?」
心底馬鹿にしたような表情。
突然 露わにした少年のような顔に
息を呑んだ。
「目ぇ見て話せんのは嫌いじゃねぇな。」
「お前、マジで何なんだよ」
「dropだ。」
「日本人だろ?何でここにいんだよ。」
「察しが悪ぃな」
今度は心底呆れたように溜息をつく。
イラッとした。
「...てめぇに会いに来たからに
決まってんだろ」
「......は?...お、れ?」
「日本語通じねぇのか?」
いや、俺に会いに来たってなんだよ。
俺、お前にあった覚えねぇし
お前のこと知らないし、てか、何でこいつ俺のこと知って...
『今の時代、商売道具さえあれば大抵分かん
だよ』
先程の言葉を思い出した。
「...なんで...」
「お前が欲しいわけじゃない
だけど、dropに医者は必要だ。」
「...俺のこと?」
「お前が欲しいわけじゃない。
なるべく腕の立つ医者が必要なだけだ。」
...意味わかんねぇ。
「だったらなんで俺のこと調べたんだよ」
「......」
「なんで俺んとこ来たんだよ」
「......」
「なんでさっきのやつお前が殺した」
「......」
そいつはずっと俺のことを見てた。
逸らさなかった。
だからすぐ分かった。
こいつには世界があると。
月明かりで両耳の黒いピアスが光る。
まるでそいつのようだった。
光の中でも存在を消さない黒。
真っ直ぐな黒。
「そんなに俺に興味があるの...?」
「さぁな」
「俺が欲しいか?」
「...さぁな」
腕の立つ医者。
その条件は既にクリアしてる。
「dropって何なんだよ」
聞いた俺はきっと伸ばされた手を掴んでいた。
無表情で俺を見てたそいつは俺を見て
ゆっくり苦笑した。
「....知りたいなら」
綺麗な笑みだった。
「dropに来い」