ドロップ!~別編~
心臓が飛び跳ねた。

嫌な音を立ててどんどん大きくなる。


藤堂はこっちなんか向いてないのに
見てるような気がする。

俺のことを。

「......なんか、知ってんのか...」

「なんて言ってほしいんだ?」

初めて藤堂がこっちを見た。

真剣な表情で、余計胸がざわめく。


知ってる。こいつは全部。

...なのになんでliveを潰そうとしないのか。

情けでもかけてんのか。


「変な顔だな。」

「は!?」

真顔で言われてつい突っ込んだ。

そのまま微妙な空気が流れる。


覚悟を決めなくては。

いつか、こんな日が来ると分かっていた筈だ。

......でも。

なぁ、藤堂。

俺、お前の事は絶対に潰したくないんだ。

死なせたくない。

あの子たちとお前を両方ともここから解放したい。

dropの指導者にそんなこと、言っていいかわかんないけど

俺、お前に上の立場っていう荷を下ろして欲しいんだよ。
< 34 / 42 >

この作品をシェア

pagetop