【惑溺】わたしの、ハジメテノヒト。
 


陽が落ちると共に
街に静かに雪が降り出した。


灰色の空から次から次へと絶え間なく白い雪が落ちてくる。


まるで空が崩れ落ちていくように
白い欠片がはらはらと散り街中に降り積もっていく。



リョウくんは、由佳さんに会えたかな……



音もなく振り続ける雪を眺めながら
その日は一晩中眠れなかった。




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