【惑溺】わたしの、ハジメテノヒト。
遠くの体育館から微かに、終業式が始まるというアナウンスが流れてくる。
あたしたちはそれを聞きながら雪の上でもつれるようにキスをした。
背中の下の冷たい雪の感触
膝小僧にふれる冬の空気
肌の上をなぞるリョウくんの熱い唇
唇が離れるたびに漏れる白い息
乱暴に服を乱す綺麗な指
ふたりの体温で白い雪がゆっくりと黒く溶ける。
「あ……ッ!!」
甘い快感に思わずビクンと身体が震えた。
必死に声をこらえるあたしをいたぶるように首筋に舌を這わす。
「やっんんッ……」
甘く上擦ったあたしの声。
この声も由佳さんに似てるのかな
由佳さんもこんな声を上げてリョウくんに抱かれたのかな……