☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「……お前ら、どっから聞いてたの?いつもなら気づくはずなのに、気づけなかったし」
「えっとねー、『私を、守るために……私を、死なせないために、愛を告げてくれているのなら……春馬さんと、同じことをさせているなら……』って、とこから」
「ほぼ、全部じゃねーか!」
思わず、そう叫ぶ。
すると、莉華伯母さんを抱き締めた陽向伯父さんが、さらっと
「相馬、結構前からいたよね。わざと、無視してたけど」
そう言って。
俺はまた、突っ込む。
「あんたも意地悪いな!陽向伯父さん!」
「そうー?いつもは一人称が“僕”のくせに、たまに、“俺”になって、しかも、そっちが本性で、人を惑わしてばかりいる総一郎には言われたくないなー」
でも、彼には倍返しにされるから。
これ以上は、言えなくて。
「これくらい、沙耶にはちょうど良いよ」
陽向伯父さんはニヤリと、笑う。
そして、
「自分がどれ程、愛されているのか思い知れば良いんだよ」
と、嗤った。
その笑顔は、とても、怖かった。