☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「ちょっ……相馬?どうし……んっ」
身を屈め、沙耶の唇を塞ぐ。
もう、何も聞きたくなかった。
『信じられない、知りたくなかった』
そんな、沙耶の言葉なんて。
知りたくなかったなんて、言わせるものか。
手放してなんて、やるものか。
……そんなことを思っているくせに、御園の家に引き込むと沙耶が危険にさらされるかもしれないと怖くて、沙耶を抱けない俺は、相当なる自分勝手だった。
母さん……自分を生んだやつのことを、責められない。
沙耶をそのまま抱き抱え、車内から引きずり出す。
扉を閉め、今度は後部座席の扉を開け、沙耶を中に押し込んで。
「な、なにす……んんっ」
もう、何も言えないようにしてやる。
もう、嫌だと、逃げたいと願っても、逃がさないと思っているのなら。
もう、遠慮なく、引き込んでやろうじゃないか。
『もし、危険な目に遭うことがあれば…その時は…』
そう思っていた自分はもう、捨ててやる。
沙耶がそれで良いと言うのなら、俺もそれでいい。
「……っ、あ……」
無我夢中で、沙耶を貪る。
ここがどことか、そんなのは今さら、どうでも良い。
「相馬、……んっ、……っやっ、待っ……」
沙耶の、温もりは俺を侵し、狂わせる。