☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
当たり前か。
付き合っている頃から、何度も言われてきた『体を大切にしろ』と、いう、言葉。
偶然に怪我したのならともかく、握りしめたせいだからなぁ……
つい、カッとなって、やり過ぎたと、今では反省。
でも……
『ほーう?』
それ以上に、離婚届にご立腹のご様子。
『……覚悟しろよ』
それが何に対する言葉かなんて、聞く間も無く。
『ちょっと、待てー!!』
翻弄されまくり、気がつけば、夜は明けて。
それを何度、繰り返したであろう。
ぼんやりとした意識のなかで、
『声、我慢するな。……心も、体も、奪ってるって実感させろよ』
『無防備なお前を前にして、いつまでも我慢できるほど、俺はできた大人じゃないんだよ』
と、言われた気がする。
と、いうか、絶対に言われた。
どうよ、この少女漫画の王子さま顔負けの台詞。
顔良し、頭良し、家柄良しのこいつは、羞恥心もなく……こっちがおかしくなりそうである。
だから、思いきって、合間に聞いてみた。
『何で、こんなことを言うのか』って。
すると、
『お前のことが大事だから?』
と、返され、なにも言えなくなった私は、なんて弱い。