☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3


「あの、“鬼華”って部屋で儀式を受ける決まりなのは知ってたけど、まさか、あんたの頭に角が生えるとは思わなかった」


冷えきった、部屋の中。


彼の目が金色に代わり、角が、牙が生える。


聞いていたとしても、実際に見ると、迫力がすごくて。


あまりの美しさに、見とれたほどだ。


(……自分の旦那なのに)


「鬼の血が強いと、そうなるんだよ。陽希伯父さんもそうだぞ。必ず、男兄弟の内の一人がそうだ。これには長男とかも、関係ない」


「そうらしいね。その前は、陽介さんだったっけ?」


「ああ。祖父上がそうだったな」


やはり、御園という家の歴史は奥深く、面白い。


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