☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「相馬」
相馬に向かって、手を伸ばすと抱き締められて。
私は、相馬の耳元に口を寄せた。
「相馬に、出逢えて良かった。離さないでね?私のこと」
簡単になんて、離れていってなんて、やらないから。
「私は、相馬のものだから。相馬も、私にちょうだい?」
お願いすれば、彼はうなずく。
「……もし、この先、俺の仕事でお前を危険にさらすことがあれば……」
手紙の犯人も、誘拐の犯人も、結局、すべて、相馬の仕事相手で。
『主導権は渡さない』と切った相手だったらしく。
その逆恨みによるものだったと、甲斐から聞いた。
「やはり、閉じ込めるか……俺以外、見えなくなるように……屋敷の奥深くに閉じ込めて、俺のことだけを考えるようにして……そうすれば、お前を傷つけることも、奪われることもない。お前の世界が、俺だけになれば……」
「別に、閉じ込めるとかは良いんだけどさ。相馬のことだけを考えるのは無理かなぁ……双子のことも、この子もいるし?」
相馬の束縛。
それは心地よく、私はいくらでも身を委ねたい。