☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3


それがたまらなく嫌で、俺は逃げた。


そして、今回のことがあった。


「……マジで、消そうかな……」


「御前家?」


「ああ。だって、要らなくね?」


「……それは、俺も感じてはいるけど」


御園のことを良く理解している甲斐が言うのだ。


本当に消してもいいと思う。


だが、それをすると、きっと……


「沙耶が怒るんだよなぁ……」


本当、面倒くさい。


「邪魔だから、消す。それの何がいけない?」


「……それを、俺に聞かれても。でも、僕らの感覚が一般人の沙耶からしたら、普通じゃなく異常ってことなんじゃない?」


「……あいつ自体、異常の塊だろう」


容姿も、性格も、一般人からかけ離れているやつが、俺らの考え方を『異常』と言えるのか。

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