☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「ごめんね、煌」
「いえ……すいません、入るタイミングを失いまして」
「なんで、煌が謝るのよ。毎日、毎日、朝早くから、茅耶のことを気にかけてくれて、ありがとうね」
優しく笑う彼女は、茅耶に似ていると思う。
例えば、優しい笑顔とか。
「好きでやっていることですから。気にしないでください」
そう、好きでやっていることだ。
「―茅耶のこと、好き?」
促されるまま、部屋に千鶴ちゃんと足を踏み入れ、沙耶さんを腕に包み込んだ相馬さまの前に正座した途端、切り出された言葉。
「……」
「躊躇わないで良いのよ?貴方が思っていることを聞きたいだけだし」
(……本当、自分は顔に出やすいのだろうか)
「……はい、好きです」
本人に伝える前に、本人の家族に伝えるなんて……本当、恥ずかしいったらなく。