☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「用件はね、千鶴には一応、知らせとこうと思って」
「何を?」
「今日、貴女のクラスに転入生が来るわ」
「はぁ……」
「ってことで、仲良くしてあげてね?」
「……向こうが、私と仲良ししたいならね」
口調からして、小一ではない。
「あら、大丈夫よ。あんたの身分は、明かしてないし」
「……私には、顔がある」
「あ、相馬似の?それは、お母さん、何も出来ないわ~まぁ、小一で恋愛関係のゴタゴタはないでしょうよ」
「……分かった。気に掛けておく」
「よろしく」
沙耶さんからの言葉にため息をついた千鶴ちゃんは、立ち上がって。
「煌に、余計なことを吹き込まないでね。父さん、母さん」
と、言い残して、部屋を出ていった。