☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「?……茅耶のこと、好きなんだろ?」
「好きですけど!」
「好きなら、そばにいたいでしょう?」
「居たいですけど!」
「じゃあ、結婚するしかないでしょう」
「じゃあ、結婚するしかねぇだろ」
「そういう問題じゃないんです!綺麗にハモらないで下さい!」
この二人は、似ている。
人の話を聞かないところが!
「……問題って?」
「……色々、あるでしょう。大体、茅耶は男性が苦手なんですよ。無理強いして、結婚なんて……」
茅耶に負担はかけたくない。
あいつは、笑っていれば良い。
けれど。
「だから、言ってるのよ。この家にいるならば、御園の娘たちは子を生むことを求められる。茅耶の持つ、昔からの力を守るためにね。それだけでも、相当な心労になるわ。だから、せめて……親しいあなたと生きていってほしいの」
―茅耶は、この家の長女だ。
普通の家庭……煌の育ってきた環境とは違うところで、彼女は生きている。
違う考えしか持っていない煌の考えでは、彼女の未来に寄り添えない。