☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「煌が理解しているのなら、話は早いわ。貴方に話したかったのはね……」
沙耶さんの口から語られる、提案。
「……と、言うものなんだけど、どうする?」
俺に選択権を与えてくれる彼らは、決して、強要しない。
「この道を選べば、少なくとも……五年は、帰ってこれないわ。その間、貴方は独りぼっち。まあ、遊びに行くのは簡単なんだけどね」
「……茅耶と、離れなければならないですね」
「そうね。でも、茅耶だけじゃないわ。これを選べば、貴方は家族とも、友達とも、暫く会えなくなる」
「……けど、茅耶の横にずっと立つには、一番の近道……」
「貴方は英語が好きで、夢が夢だし。行く方が、正直、手っ取り早いのよ」
「……俺の夢、誰に聞いたんですか」
誰か、なんて、もう、わかってる。
でも、あえて聞いた。
「邑子(ゆうこ)さんに聞いたの。だって、この提案を勝手に教えることなんて出来ないもの」
「両親はなんと?」
「『煌の人生だから、煌の思うままに』だそうよ」
「そうですか……」
いきなり、告げられたこと。
俺は、どうすべきなのか。