☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
そして、向けられる瞳。
純粋で、その瞳に浮かんでいるのは“興味″。
“欲″でも、“恋情″でも、“嘲笑″でもない。
この女なら、大丈夫だと思った。
同時に、向けられたことのなかった瞳が、たまらなく、面白くて……気持ち良かったんだ。
初めて、自分を見てくれたような気がして。
「―…ねぇ」
「はい?」
呼ぶと、葵は微笑んだ。
「俺の相手をしてよ」
ニッと笑いかけると、葵は首をかしげた。
「ここ、屋上で俺の相手をして」
「はぁ……」
気の抜けた、返事。
新しいおもちゃ、見つけ出せた気がした。
「大丈夫。俺のせいで何か言われることもないから」
そもそも、屋上は立ち入れる人が決まってる。
屋上への出入りは、俺達、御園家の者か、焔棠家の者のみ、そして、成績で学校内の順位が20位以内の者しか、屋上への鍵は手に入らない。
異常に俺の顔を凝視してくるので、そう返すと。
彼女は考え込んで。