☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3


「だったら、お泊まり会でもすれば良いでしょー!」


強情な絋を押さえつける方法が思い付かず、適当に叫ぶ。


「何ですか、お泊まり会って。野郎が集ったところで、誰も得しませんし、嬉しくない」


けれど、それも冷静に返されて……私は首をかしげた。


「え、そうなの!?恋愛小説では、ドキドキの展開なんだけど!」


「それは、女がそこに存在してのことでしょう。ドキドキって……野郎に野郎が反応したら、気持ち悪いだけです」


「うわっ、同性愛を否定したっ!」


「いや、否定はしてませんが」


「ううん、今の絶対してる!」


こっちが有利になってきたところで、抑え込めるか、と、思った。


けど、やっぱり、


「……してねぇっつってんだろうが!めんどくせぇな!」


……絋の方が、上手です。


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