☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
主に従順な護衛の皮を投げ捨てたら、こんなもんである。
「そんなんで俺を丸め込もうったって、そうはいかねぇ!」
「うわーん!なんで、そんなに先を読めるの~!本当、お泊まり会してきて良いから!お金がいるなら、あげるから!また、給料が入ってて、使い道に困ってるし!今度、買い物に付き合って!本を買うわ!それと、夜は大丈夫!ご飯は、買うからー!!」
いつも、自分を犠牲にする絋に自分優先してほしかったのだが……どうも、うまく行かない。
うまく、言い聞かせる方法を、私は知らないから。
「おいっ、美耶!!」
「また、あとで!」
言い逃げのように言い、走る。
背後から、
「壊滅的に運動できねぇくせに、なんで、足は速いんだ!?」
と、いう、声が聞こえたが、私は聞こえない振りをした。