☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「で、どうする?美耶ちゃんの言う通り、お泊まり会、決行する?」
「アホか」
野郎とお泊まり会とか……大人しく家に帰って、美耶に怒られる方がマシである。
「でも、遊びには行かねぇと。お前がずっと、傍についてるから……いや、傍にいるには良いと思うんだが、その理由を話してねぇから……結構、お前に申し訳なく思ってんじゃねーか?」
そう言う、幼馴染み……高虎(たかとら)の言うことも、美耶の性格上、最もなことである。
「ずっと、一緒にいるしね。もう、何年になる?」
「7年じゃね?」
「時間が経つのは早いな。ある日、いきなり、『人に仕えてくる』と消えてから……7年か」
「あれがその年で一番、吃驚したことだったなぁ……」
続いて、嫌みのように言い合うのは、煌月(あづき)と太陽(たいよう)。
「うるせー、でこぼこコンビ」
「いや、毎回言うけど、名前はどうしようもないからね?」
まるで、図ったかのように、月と太陽な彼ら。
仲が良いのは良いことだが、二人して、俺に嫌味を言うこのパターンもいつものことである。
「……でも、今夜が嵐が来るって、予報がなぁ……」
「マジで?あれ、お嬢を止めるためにじゃなかったの?」
「スマホの天気予報で確認してみろ。雨マークだから」
俺がそう言うと、太陽がスマホを取り出す。