☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




『ねぇ、私のお婿さんになって!』


勿論、相手は目をぱちくり。


何せ、小学生に言われたんだもの。


当たり前か。


でも、私からすれば、良い相手だった。


頭も良いし、運動神経も抜群、話は通じるし、退屈しない相手だったんだ。


『ま、真耶……何言って……』


突然の私の発言に、面食らう両親。


相変わらず、若いこと。


母親の黒橋沙耶は、当時、42歳。


このプロポーズをしたとき、私は6年生だった。


つまり、12歳。


12歳が、何をませたことをとお思いでしょうが、それだけ、私の生活には刺激が足らないんです。


相手の名前は、結城夏渡。


年は、18歳。高校3年生。


難関の国内一の高校である蒼繚華学園の特待生であり、サッカー部の期待の星でもある彼は、イケメンでした。


『何って、お婿さんになってって、お願いしているだけよ?』


首を傾げると、母は、頭を抱えました。


『千鶴に止まらず、あんたもか……』


……意味がわかりません。



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