☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「真耶をちょうだい」


そして、その一言と共に、キスを落とされる。


夏渡からの二度目のキスは、深かった。


今までのような、優しい、触れるだけの、遊びのようなキスじゃない。


全てを奪い尽くすような、そんなキス。


「んん……っ」


与えられる快楽に、逃げ場はない。


いつも、お父さんがお母さんに与えているものは、こんなにもおかしくなってしまうようなものなんだろうか?


フワフワして、何も考えられなくなる。


「っ……ぁ……」


自然と、私の手は伸びた。


そして、夏渡の首に回してしまう。


もっと、欲しいと思ってしまう。


それは、わがままか。


「ん……っ、ふ……」


繰り返される口づけに、膝が笑う。


呼吸もできなくなっていって、私は膝を折った。


「……大丈夫か?」


私の腰を支えたまま、訊ねてくる夏渡。


私は、首を横に振った。


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