☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
お前を守るためだけの力は、受け継がれることはない
□沙耶side■





秋。


色んな人を巻き込んだ夫婦喧嘩を終え、私達は御園のプライベートパークに遊びに来ていた。


「凄いね、ここ」


御園本家の庭以上に、うっとりとする景色を持つ公園。


季節のこともあってか、降る紅葉。


春になると桜が満開になり、花が舞うらしいから、楽しみである。


「祖父が妻と過ごす為に作ったそうだよ」


木を見上げて、舞い散る紅葉を見ていると、横で相馬がそう言った。


「……家族の為じゃなく?」


私は、聞き返す。


答えなんて、わかった上で。


「ためじゃなく」


「……そこは嘘でもいいから、家族の為だって言ってほしいよね」


案の定、思う通りの答えをくれた相馬を見て私が苦笑すると、


「俺の先祖だぞ?有り得ねぇ」


と、自信満々に、相馬は言い放った。


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