☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「フフっ、相馬の言う通り、本当、貴方は人が悪いわ」
「それは、誉め言葉?」
「そんなわけないでしょう」
二人きりの部屋のなか、僕たちは笑いあった。
「貫けるわ、あの二人なら」
「ククッ、僕もそう思うよ」
最期まで。
それは、結婚するときに誓ったこと。
“永遠に貫くよ”
……それは、子供たちに伝染して。
「うまくいくと良いんやけどなぁ……」
人は、学ぶ。
人の失敗から。
そして、その失敗から生まれたものは、もの次第では人の心に永遠に輝くものとなる。
「―愛しとるよ、ユイラ」
「?……どうしたの?急に」
「なんか、伝えとうなったんや」
「そうね。あの二人を見ていたら、そういう気持ちになるわね。―私も、愛してるわ」
死ぬまで貫くことができれば、
それは永遠の愛に、
真実の愛となる。
二人の作り出す愛を見てみたいものだと、僕は思い、笑った。