☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
不可触の女神
□沙耶side■
『私は一人で大丈夫』
それは、魔法の言葉だった。
自分を勇気づける言葉、
他人を遠ざける言葉、
そして、自分を自分に認めさせる言葉だった。
朝陽を喪ってから、
『私は大丈夫だよ』ということが多くなった生活。
本当は大丈夫じゃなくても、『大丈夫』……そう、自分に言い聞かせることで、私は自分を保ててたんだ。
なのに、今は、相馬が傍にいないだけで淋しさが胸を焼く。
自分から出てきたくせに、会いたくて、抱き締めてほしくて。
相馬に変えられた私は、一人が苦しくて。
誰かに縋りつきたいとき、柚香が私の代わりに拐われた。
悲しいとか、寂しいとかの感情で焼かれていた胸は、怒りに蹂躙され、手紙の犯人すらも、消したくなった。
(許さない)
ただ、それだけだった。
私を傷つけるものはいい。
でも、私の大切なものを傷つけるのは、許さないと。
そう、思ってた。
自分なんて、その思いが心を支配する。
どれだけ、自分が相馬に愛されているかなんて、この時の私は忘れかけていた。
『私は一人で大丈夫』
それは、魔法の言葉だった。
自分を勇気づける言葉、
他人を遠ざける言葉、
そして、自分を自分に認めさせる言葉だった。
朝陽を喪ってから、
『私は大丈夫だよ』ということが多くなった生活。
本当は大丈夫じゃなくても、『大丈夫』……そう、自分に言い聞かせることで、私は自分を保ててたんだ。
なのに、今は、相馬が傍にいないだけで淋しさが胸を焼く。
自分から出てきたくせに、会いたくて、抱き締めてほしくて。
相馬に変えられた私は、一人が苦しくて。
誰かに縋りつきたいとき、柚香が私の代わりに拐われた。
悲しいとか、寂しいとかの感情で焼かれていた胸は、怒りに蹂躙され、手紙の犯人すらも、消したくなった。
(許さない)
ただ、それだけだった。
私を傷つけるものはいい。
でも、私の大切なものを傷つけるのは、許さないと。
そう、思ってた。
自分なんて、その思いが心を支配する。
どれだけ、自分が相馬に愛されているかなんて、この時の私は忘れかけていた。