俺だけのLovelyメイド
もっ……もうやだよ……



「……とっ東條‼」




隣にいる東條の服の袖を引っ張る。

……あれ、反応なし。



もう一度、クイクイと引っ張ってみた。




「と……東條?」



「なぁ、蘭。のっぺらぼうって知ってる?」




は……?
いきなり何言ってんの?

なんて思うけど、実際は怖くて言葉にならない。




「なに、がっ……」



「知らない?……こんなの」



そう言って振り向いた東條の顔は……




「いやあああっ‼」



思わず顔を押さえてしゃがみ込んだ途端、部屋の明かりがついた。


急に部屋が明るくなって、そっと目を開けてみる。



た、助かった?


安心したからか、あたしの目からは勝手に涙が落ちて来た。
< 105 / 320 >

この作品をシェア

pagetop