俺だけのLovelyメイド


***



「…………デカ」



その日家に帰ったあたしは、必要最低限の荷物を持ってある場所に向かった。


それはもちろん、東條の家。

“明日から”の予定が、なぜか“今から”に変わっている。


……何でだ?




「ああー……行きたくないよう……」



目の前にある、嫌味ったらしい程に大きな屋敷を見て、ふいに呟く。




「オイ、ジャマだよお前。
さっさと入れ」



その時後ろから、低ーい低い声がした。





「と、とと……東條っ‼」



アンタ性格違いすぎだよー!?

学校では『蘭ちゃん』のくせに、今は『お前』かよ!?


どんだけ性格悪いのさ‼





「お前今日からになったんだってな?


ま、よろしくな?『蘭ちゃん』♪」




……その笑顔が、怖いです。

あたしこれから……どうなっちゃうの!?



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