俺だけのLovelyメイド
◇二人だけの秘密だね‼
「あれ、蘭?
生嶋くんと一緒じゃなかったの?」
東條と一緒に教室に戻って来たあたしを見て、縁が首を傾げた。
……え?
あたしは目線を上げて、東條の顔をチラッと見てみる。
「……戻って来てないの?」
「うん。
蘭と一緒に出て行ってそのままだよ?
文化祭の準備手伝って欲しいのにー」
ブツブツと文句を言いながら縁は大きな段ボールをヒョイと抱えると、向こうに歩いて行ってしまった。
「……すげえ力」
縁が歩いて行った後、東條がボソリと呟いた。
……右に同じ。
心の中で、あたしもそう呟く。
縁の目の前で口に出していたら、確実にあたしは怒られていただろう。
縁って、怒ると怖いからなぁ。
そう考えると、背中に寒気が走った。
「見た目は普通なのに……」
……これもまた、右に同じ。