俺だけのLovelyメイド
「生嶋、く……」

「……っ俺だって……」




そう、小さく呟く生嶋くんを見て、あたしは縁の言った言葉を思い出した。



“好きなんじゃない?”



あの時、笑って否定したけど。

この状況って、もしかして──……?




「……あの、生嶋く……」

「俺だって──……

……東條にずっと憧れてて、ずっと仲良くなりたいと思ってたのに。
なんでずっと嫌ってたくせに、いきなり付き合ったりしてんの?

ズルいんだよ」




…………。
……。



「……はああ!!?東條!?」




生嶋くんの身体が、ビクッと揺れた。

あまりの声のデカさに廊下の窓がビリビリと振動して、いろんな教室からびっくりして人が出て来る。



だけど、そんなのお構い無しにあたしの口は開いたまま塞がらなかった。
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