俺だけのLovelyメイド
◆コイツ俺のだから。
東條と、手を繋いで教室までの道を歩く。
チラッと、横目で見上げてみる。
やっぱ、……かっこいい。
あたし、こんな人と付き合ってんだ。
しかも東條は、社長さんの息子だし……
なんて考えてると、あたし達の教室が見えた。
……あれ?
「と、東條?」
「なに?」
「なに?じゃなくて‼
手、離さなきゃ」
人前では、絶対にイチャイチャしたりしない。
あたしが嫌がるのが第一の理由だけど、東條のイメージを崩さないためでもあった。
それなのに……
「ちょっ、なんで離さないの?」
東條は依然、あたしの手を握ったまま。
止まらず歩き続けているから、教室はもう目の前にある。
あたしは思わず、繋いでいる手をブンブンと振り回した。