俺だけのLovelyメイド
Lovely5
◇許嫁!?
「ただいま」
「お帰りなさいませ、泰臣様」
玄関のドアを開けると、綺麗に並んで出迎えるメイドさん達。それを見ると、今でも少し気後れしてしまう。
「蘭さん‼
何してるんですか、早く着替えて来て下さい‼」
「あっ……はい‼」
そしてあたしは、いつもこんな扱いをされる。
……実際、あたしもメイドだから仕方ないんだけど。
メイドの仕事──と言うより、東條の世話をする代わりに、この家に住ませてもらってるんだから。
急いで階段をかけ上がり、部屋に入ると自分のメイド服に着替える。
……未だに嫌だ、これ。
コスプレだよ、ほんと。
だけど慣れてきたのか、この制服に着替えるのは早くなった。
……あんまり嬉しくはないことだけど。