俺だけのLovelyメイド
◆“待ってろ”
「んん……」
そっかあたし……
いつの間にか寝ちゃったんだ。
身体を起こし、辺りを見回す。
大きなベッドには、あたし一人。
大きな部屋には、まだ片付けていない段ボールに詰めたままの荷物。
そっか、あたし……
「部屋、もう違うんだ……」
あたしが目を覚ました時。
気持ち良さそうに眠る東條の顔を見ることは、もうないのかな。
あたしが寝坊した時。
目を開けたら、東條が笑顔で「おはよう」って言ってくれることは、もうないのかな。
あたし達……もう、別れちゃうのかな。
「……っ」
なんて、想像するだけで嫌だ。
涙が、溢れそうになる。
東條が隣にいてくれないことがこんなにも寂しい、なんて知らなかったよ。