俺だけのLovelyメイド
Lovely6
◇やっぱり、諦めきれない。
『……ん?蘭‼』
「えっ、あ、……お母さん!?
なんで!?」
『なんでって……蘭が電話してきたんじゃないの。
どうしたの?』
受話器の向こうから、お母さんの呆れたような声が聞こえる。
あたし、無意識にお母さんに電話かけちゃってたんだ……
『蘭?なにかあった?』
お母さんの心配そうな声がして、はっとした。
……自分で、決めたのに。
どうしてこんなにも、胸が痛いのか。
「……お母さん」
『ん?なに?』
「あたし……どうすれば良いのかな?」
ぽつり、と。
あたしの呟いた言葉だけが、部屋の中に大きく響く。
少しだけ、お母さんの息を飲む音がした。
『……何があったの?』