俺だけのLovelyメイド
裏口から外に出て、家に向かう。

東條の家と両親が暮らしている社宅は、割と近い所にある。


少し小走りになりながら家までの道のりを急いだ。





しばらくして家に着きチャイムを鳴らすと、インターホンからすぐにお母さんの声が聞こえた。



ガチャッとドアが開き、お母さんの姿が目に映る。




「お帰り、蘭」



いつものように優しい表情で微笑まれ、また涙が溢れた。




「……とりあえず、中に入ろう?」




ポンポンと背中を叩き、お母さんにそう言われて言われるがまま中に入った。


前の家よりは、狭い。

だけど、家族の匂いがする。




「……泰臣くん、のこと?」



カシャン、と音がして、あたしの前に温かいコーヒーが置かれた。
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