俺だけのLovelyメイド
あたしがドアに向かって歩き出した時。



「メイドさーん。
制服、着替えさせて?」



「っ!?」



王子様のようにニコリと笑い、手招きする。


なっ、何言ってんのコイツ‼
あー……学校のみんなは、この笑顔に騙されてるんだろうな……


真っ赤になる顔を押さえながら、東條へと目を向けた。


ベッドに座り、今度はニヤニヤと笑いながらあたしを見つめている。




「メイドさん。早くおいで?」



「何言って……それくらい自分でして……っ下さい‼」



「へえ……
ご主人様の言いつけは聞くものだよ?」



……‼
ムカつく、この男……

このワガママ王子め‼




「──っ……あたし、朝食を取りに……」




それでもやっぱり、抵抗するあたし。
< 25 / 320 >

この作品をシェア

pagetop