俺だけのLovelyメイド
「泰臣さんは要りませんの?」



そう訊ねた香乃華さん。
その言葉に、東條の視線があたしの方を向いた。


……っ、うわ。

着ぐるみだから、絶対バレないはずなのに。
なんであたし、──こんなにドキドキしちゃってるのかな。





「……それ、何日くらい大丈夫?」



……へ?
何日くらい、って言われても……

あたし生嶋くんから渡されただけだし……



……うーん。



30秒くらい考えて、あたしは首を斜めに傾けた。

すると、目の前にすっと伸びてきた東條の手。




「とりあえず、今日大丈夫ならいいや。
一つちょうだい」



そう言われて、咄嗟的に緑色の風船を選んで手渡した。

──だって緑は、東條の一番好きな色だから。
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