俺だけのLovelyメイド
Lovely7
◇……宣戦布告もしちゃったし。
「え?」
「ごめん、あたし帰る‼
どうしてもしなきゃいけない用事が出来たの‼」
「ちょ……っ、おい!?」
生嶋くんをそのまま残し、あたしはその場から駆け出した。
やっぱりあたしは、東條と離れたくないよ。やっぱり、ずっと一緒にいたい。
──東條は、一緒にいてくれなきゃダメな存在なんだ。
さっき通った道を抜け、出入り口を抜けてバス停にたどり着く。
ちょうどあたしが帰る方面と同じ方面行きのバスが来ていて、急いでそのバスに乗り込んだ。
窓際の席が空いていたのでそこに腰を下ろす。
窓から見える景色は、夕日でオレンジ色に染まっている。
そしてふと、思い出した。
今日、東條が選んでくれたオレンジ色の風船を。