俺だけのLovelyメイド
◆“──じゃあな”
正直、あたしはこんなにも東條のことを好きになるなんて、思ってもいなかった。
それどころか、最初は東條のことが大嫌いだったし、好きになることなんて絶対にないって、そう思ってた。
「……蘭?大丈夫……?」
隣の席に座る縁が、心配そうな表情であたしの顔を覗き込んでいる。
「……うん」
昨日の夜。
東條は、もう一度あたしの部屋に来ることはなかった。
それから、あの話がどうなったのかはわからない。
朝も東條に会わないまま学校に来て、──東條は学校に来ていない。
「……はあ」
どうなったんだろう、東條。
東條のお母さんが、すぐに話を聞き入れてくれるとは思えない。
学校に来てないのも、気になる。