俺だけのLovelyメイド
「……俺は」



少しだけ顔を上げて、東條は呟く。

あたしは目を合わせることが出来ず、俯いたまま。




「……俺は、好きだよ」




──……え?

あたしが顔を上げる前に、ドアの開く音がして東條は行ってしまった。


……どうして?



手に握った、マフラーに視線を移す。


いつもあたしを、抱き締めてくれる香り。
昨日、あたしを抱き締めてくれた時の香り。




「……わかんないよ」



わかんない。全然、わかんないよ。


あのさよならは、何だったの?
さよならしたのはそっちのくせに、なんでそんなこと言うの?



ポタポタと、マフラーの上に落ちる涙。

あたしはそれを拭うこともせず、ただギュッとそのマフラーを強く握っていた。

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