俺だけのLovelyメイド

***


それからあたしは、極力東條と関わることを避け、日々を過ごした。


あたしが避けなくとも、香乃華さんがいるから東條だって話しかけたりはしなかっただろうけど。




結婚式まで、後1週間。

ついでに言えば、結婚式は自由に見物出来る盛大なものにするんだとか何とか。

あたしには、関係ないことだけど。





「おい、国語係のヤツー」



「あっ、は──……」

「はい」




聞こえた声に、思わず胸がドキッとした。

そっか……
一緒、だったっけ。


クラス替えがあってすぐ、係り決めで国語係を選んだあたし。




『蘭ちゃんが国語係なら、俺も国語係にしようかな』



なんて言って、東條も国語係に立候補してた。

国語係なんてほとんど仕事がなくて、すっかり忘れてたのに……なんで、こんな時に。
< 295 / 320 >

この作品をシェア

pagetop