俺だけのLovelyメイド
「……っおい、待てよ‼」



ガタン、と机の揺れる音がして、東條があたしの後を追って来るのがわかった。


あたしは走るのが遅い。
東條は、スポーツ万能。


……逃げられないことは、わかっていたのに。
それでもあたしは、無我夢中で足を前に進めた。





「待てって……‼」



廊下を走り抜け、角を曲がったところで東條にぐっと腕を掴まれた。

グラリとバランスを崩した身体。


下には、階段。


落ちる……っ‼

そう思ったあたしは、思わずギュッと目を瞑った。



途端、あたしの身体を何か温かいものが包み込んだ。




「……っぶねえ」



耳元で東條の声が聞こえて、そっと目を開ける。


背中に回された、東條の腕。
あたしは、東條に抱きしめられていた。
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